2017年06月07日

バレエ末席物語〜「ジゼル」ザハロワ&ロヂキン〜

「ジゼル」
2017年6月4日

ジゼル・・・スヴェトラーナ・ザハーロワ
アルブレヒト・・・デニス・ロヂキン
他 ボリショイ・バレエ団

開演前に友人と上野で夕食を食べ、不忍口の坂を上って文化会館へ。
ショートカットして楽屋口の前を通ろうとすると、なにやら黒服のSPっぽい人が沢山います。ものものしい感じ。そこへ黒塗りの車が到着。中からは、スラッとした白人女性が出てきてサッと中へ入ってしまいました。
よく見れば、黒塗りの車が何台も止まり、ナンバープレートは、青地に白抜きの「外」。
外務省の車なのでしょうか。ロシアの国旗までついています。
入り待ちしている人もいて、友人と「誰?プーチンでもくるの?」「うそ太郎?」(N〇K番組LIFEを見ていた人ならわかる(^_^;)などと冗談を言っていました。
プーチン大統領が来るには、警備はやや手薄。きっと大使館の人でも来るのだろうと思いました。
「誰が来るんですか」と横の女性に声をかけられ「わかりません。でも、車のナンバープレートからすると大使館の人じゃないですかね」と言うと、「あぁ、そうですか」と言っていました。その女性は、バレエでもやっているのか、品の良い、感じの良い女性で「私は、ザハロワを見るために北海道から来たんです。一年前にチケットを取りました」と笑顔でおっしゃっていました。
スゴイ熱意!
私も、去年7月のオールスター・ガラの会場でチケットを取ったけれど、北海道から飛行機代をかけて宿泊代もかけて見に来る熱意には頭が下がります。
いつも貧しい桟敷席などと嘆いているのは贅沢かもしれないと思いました。
東京が好きなわけではないけれど、東京に住んでいることの有難さが身に染みました。

さて、そんな前フリがあり、桟敷席で開演を待っていると、場内アナウンスがあり、日本とロシアの代表の挨拶があることが告げられました。
その名前を聞いてビックリ。
なんと安倍晋三内閣総理大臣でした。
生晋三(^_^;)
安倍総理とバレエってなんだか結びつかないけど、楽しめたかしらん。
小泉元総理だったら似合いそうだけど。
ロシアの代表は、プーチンではありませんでしたが、ゴロジェツ副首相でした。
大物だらけ。
もともと今回の公演は、ボリショイ・バレエが初来日して60周年の記念の公演なので、日露政府の肝いりなのでしょう。
なんとまぁ、豪華なサプライズ。
ソワレは、なんといっても国宝級のバレリーナ、スヴェトラーナ・ザハロワですからね〜。
ザハロワの踊りは、そんな舞台にふさわしい踊りでした。

〇第1幕
ザハロワ、以前よりさらに痩せた?腕がガリガリで、ビックリ。
でも、その折れそうな病的な細さが、心臓を患うジゼルにぴったりで、ザハロワ/ジゼルが苦しそうにすると本当に倒れてしまうのかと心配になってしまうほど。
ザハロワ/ジゼルは、本当に線が細く可憐で、アルブレヒトのアプローチにも恥じらう乙女。アルブレヒトを疑うことは全くなし。
アルブレヒトからしても、そんなジゼルは愛らしくて仕方がないのでしょう。
ザハロワ中心に見ていたので、ロヂキン/アルブレヒトはあまり印象がなかった(^_^;)

一つ気になったのは、ザハロワ、ソロパートで、片脚でケンケンするところを、以前は上手から下手までケンケンしていましたが、今回は、片脚ケンケンは短く、すぐ終わってしまったので、グリゴロがそういう振付なのか、ザハロワの調子がイマイチだったのかどうなのかなと思いました。
あの細い足首でケンケンは捻挫が心配なので無理しないで良かったんですけど。
その後のマネージュは勢いがあって、会場からの拍手が起こりました。

ペザントは、マルガリータ・シュライネルは上手く踊っていたと思います。笑顔も出ていたし。
男性は、ダヴィッド・モッタ・ソアレスが降板し、アルトゥール・ムルクトチャンに変更になっていましたが、代役の緊張からかジュテの着地などわりとグダグダでした。

狩りの一行の衣裳が綺麗。特に、黒いベルベットの胴衣にグレーのスカートの女性の衣裳を着てみたい(*^_^*)
バチルド役のヴェラ・ボリセンコワは、超美人。お化粧のせいか、なんかヴィシニョーワに似て見えた。

アルブレヒトに裏切られたザハロワ/ジゼルの狂乱の場面は、本当に可哀相すぎて、見慣れた場面なのに、久々に涙が出ました。
隣の席が、バレエヲタっぽいおじさんだったのですが、感情移入してしまったのか、ハンカチで涙を拭っていました。乙女なハートをお持ちなんですね。

〇第2幕
コール・ド、初めのアラベスク・バランス、脚の上がりもバラバラだし、脚がグラグラ上下していました。バランスをとるのは難しいのはわかりますが、マリインスキーや日本の東バや新国のほうが綺麗に揃っていると思う。
まぁ、ボリショイの魅力はそこではないので、大目に見ましょう。

ミルタのユリア・ステパノワは、ロンドン公演で絶賛されたらしいので、ちょっと期待しましたが、「ミルタ」というのは、個人的にちょっと違う気がしました。
テクニックはあると思うし、パ・ド・ブレも良かったのですが、ジュテの着地音が響きすぎ。一応、精霊の女王なのですから、もっと音を消すような着地の仕方を訓練したほうがいいのでは。人間の量感を感じすぎました。
顔がほっそりしている割に、首が長くなく胸板が厚いし腕があまり長くないので、スラッとした印象はなく、体系的にはちょっと私好みではありませんでした。
でも、ステパネンコ系ダンサーなのかなと思い、ドン・キホーテのキトリなどの役だったらもっと似合うのかもしれません。
「白鳥の湖」にも主演しているので、オディールは期待できそうですね。(私が観る公演ではないけど)

着地音といえばロヂキンもジュテの着地音が響いていました。ブリゼやアントルシャの足技は見事でしたが。

それにひきかえ、ザハロワ/ジゼルは、本当に軽い!!
精霊の無体重さを見事に表現していました。
あの細さであのジュテを飛べるなんて。
しかも着地音は、ポアントが床に当たるほんの少しの音のみ。
これでなくちゃね。
最初の高速回転も綺麗に回っていたし、アラベスク・パンシェもグランド・スコンドも滑らか。パ・ド・ブレの細やかなこと。
ラストの鐘が鳴る場面でもまた涙。
去年のオールスター・ガラ公演で、ザハロワの2幕ジゼルに感動して、追加でジゼルを買ってしまったので、本当にザハロワのジゼルを観られて良かった。

ということで、明日の白鳥公演も楽しみです。
posted by ひつじ at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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