2016年09月26日

バレエ末席物語〜ミラノ・スカラ座「ドン・キホーテ」バデネス&サラファーノフ〜

バレエ末席物語〜ミラノ・スカラ座「ドン・キホーテ」バデネス&サラファーノフ〜
2016年9月22日/東京文化会館

キトリ・・・エリサ・バデネス
バジル・・・レオニード・サラファーノフ
ほか

久々のバレエ。海外バレエ団のチケットは値上がりし、こちらは消費税アップなどで年々生活が圧迫され、なかなかバレエにも行けない状態に。
それでも、どうしても見たいものは見たい!
せっかくむこうからわざわざやってきてくれ、東京で見られるのだから。
今回は、コチャトコワ&ワシーリエフとポリーナ&サラファーノフのどちらか迷いましたが、サラファーノフの足技を見たくて、こちらのペアにしました。
ところが、ポリーナ妊娠で降板。ガ〜ン(泣)
巷では、ポリーナ妊娠はもっと早くからわかっていたはずとの噂も。
バデネスは新進気鋭の若手バレリーナ。スペイン人ということで、キトリにはあっているだろうけど、まぁ、ハードルを低くして期待しないようにしました。
サラファーノフがいてくれて良かった!

私が行った日は、初日ということで、舞台前にミラノ市長がご挨拶。「東京でミラノ・スカラ座バレエの公演が始まる今日、ミラノではちょうど浮世絵の展覧会が行われている。互いに贈り物を送り合っていて、日伊の友好関係が続くよう祈る。みなさんも是非イタリアへ来て下さい」という内容を通訳つきで話していました。

さて、感想はざっくりと。

幕が開くと、イタリアらしいカラフルな色使いのコール・ドたちが生き生きと踊っています。
バデネス/キトリ、最初から飛ばしまくって、勢いがすごかった。体も柔らかいし、何より気持ち良く真っ直ぐに足があがる。バットマンも常にほぼ180度上がる。
若さゆえのエネルギーもすごかったけれど、若い割には踊りなれている感じもあった。
不安感のない踊りでした。
スペイン人のバデネスには、キトリはぴったりで、表情もすごくコケティッシュ。
あそこまで顔を崩せる主役もなかなか(^_^;)
顔はやや面長で、口が大きめなのが、なんとなくシオマラ・レイエスを思い出させた。
3幕のアチチュード・バランスはあまり安定しなかったけれど、グラン・フェッテは、シングル―シングル―ダブルを何回か繰り返し、ラストは4、5回転高速で回っていた。
とにかく最初から最後まで目まぐるしく動いて超エネルギッシュでした。
ポリーナを見られなかったのは残念だったけど、バデネスキトリで全然不満はなし。
ハードルを低くしていたせいかもしれないけど、良い意味で裏切られた感じ。
代役で初日ということで、気合いが客席にも伝わりました。

ヌレエフ版は、バジルの踊りが多くて嬉しい。サラにもワシーリエフにもぴったり。
1幕の初めのほうから、バジルの見せ場があって、サラファーノフ、恰好良かったです。
体格も少し大人な感じになったかな?(3人の子持ちですもんね)
サラも、とにかくエネルギッシュで最初から飛ばしていました。
細やかな足捌きが美しく、さすがサラファーノフ!
溶けるように綺麗なロン・デ・ジャンブも、他のダンサーとは違う。
1幕で、5番着地がやや乱れたときもあったけど、3幕などの5番着地は綺麗に入っていました。
3幕のマネージュのトール・ド・レンも高く、ラストのグランド・ピルエットの脚も90度に真っ直ぐ伸びて高速ピルエットでした。
サラの踊りは、本当に正統派!
ダイナミックさだけではなく、男性ダンサーもこういう足先の美しさを追求してほしい。

あとは、ドリアード女王のニコレッタ・マンニが上手かった。
イタリア人によるイタリアン・フェッテが見られました。溜めがあって綺麗な回転でした。
マンニ、美人さんです。
24日のイタリアン・ペアでは、キトリを踊ったんですね。確かに主役級のダンサーだと思いました。

キューピッド役は、キューピッドではなくドリアードのようにチュチュ&ティアラの女性でした。個人的に、あのキューピッド、特に子供キューピッド付きは、あまり子供じみていて好きじゃないので、三人とも姫系に統一してくれて良かった。
夢の場は、パステルカラーのチュチュで全体が上品でした。

ジプシーのアントニーノ・ステラも良かった。
前も、なにかの役で、「ステラ良かった」と書いた記憶。
サンチョの演技もなかなか面白かったです。
サンチョが街人に放り上げられるのは、トランポリンじゃなく人力でした。
ジプシー女が二人だったり、野営地の人形劇は子供のバジル、キトリ、ガマーシュの物語ですが、人形劇の終る前にドンキが暴れだしたり、見慣れたドンキとは色々違ったけれど、新鮮で面白かった。曲の構成も踊りも、違っているところがあった。ひとつ、違って残念だったのは、バジルの狂言自殺のシーン。最後に音楽に合わせて生き返る(起き上がる)のではなく、音楽の途中で起き上がって演技が続いていくのが、やや盛り上がりに欠けた。
3幕のバジルとキトリのGPDDでは、フィッシュ・ダイブがなくやや残念だったけれど、酒場のシーンで2回ほどキトリがバジルの腕に勢いよく飛び込むシーンがあり、あれが3幕のフィッシュ・ダイブのかわりかな?

コール・ドの足の上がりやタイミングは揃っていないことも多々あったけど、とにかく勢いがあるし、場面展開が早いので、引き込まれました。

立ち見したカタログに、舞台装置や衣装は、ゴヤの絵画から影響されたという内容が書かれていましたが、3幕の街のセットの後ろに黒い服やドレスの人々が立っているのが、ホント、スペイン絵画のようでした。
派手目の色使いのコール・ドに対して、黒い服やドレスの人々を登場させるセンスはさすが!日本だったら、ああいう色使いにはならないでしょう。さすが洋服の国、ファッション・センス抜群!

主役もコール・ドも生き生きしていて、非常に楽しく大満足の舞台でした。
悲しいかな、これが今年のラスト・バレエ。
来年はいくつ公演を観られるかな〜
posted by ひつじ at 15:41| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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