2015年08月12日

バレエ末席物語〜第14回世界バレエフェスティバル【プログラムB】〜

第14回世界バレエフェスティバル【プログラムB】
2015年8月9日

Aプロの末席が取れなかったので、Bプロからフェス参戦です。
開演前、上野駅構内を歩いていると、前にスラリとした長身の女性が歩いていました。
脚を外向きにして歩いているので「これはバレエをやっているな」と思い、上半身を見ると、モデル並みに小さい頭。
このスタイルは!と思い、追いついて横顔を見ると、なんと水香ちゃん!!
声をかけたい衝動はありましたが、迷惑がられるのも悲しいので諦め。
水香ちゃんを目で追っていくと、楽屋口に向かっていき、そこで入り待ちをしていた女性たちに声をかけられていました。サインもらったのかな〜。うらやまし〜。
上野で遭遇した水香ちゃん。まさに上野水香(^_^;)
開演前にラッキーな出来事でした。

【第1部】
〇「ディアナとアクテオン」ヴィエングセイ・ヴァルデス/オシール・グネーオ
最初にもってくるにはもったいないほど、テクニック満載で盛り上がりました。
ヴァルデスは、何度かバランスを長くとっていて見事。脚が強い。
グネーオも、アクテオンにぴったりの均整のとれた肉体をフルに使って踊っていました。
トゥール・ド・レンも高くてキレキレ。
この二人、テクニック的には一番だったと思う。
オープニングにも良かったけれど、トリでもいいくらい見ごたえたっぷりの舞台でした。

〇「シンデレラ」ヤーナ・サレンコ/ウラジーミル・マラーホフ
マラーホフ、日本食で、以前の■体型(^_^;)(前回のバレエ・フェスの「カンタータ」で、黒いシャツを着た体型が■になっていたので)が少し細くなったかなと期待しましたが、あまり変化なし(^_^;)
王子衣装のベスト、脇が黒くて中心が白かったので、「黒い部分は黒子、マラーホフの体は、あの白い部分だけ」と自分に言い聞かせて見ました(^_^;) 
二人の練習時間が短かったのか、サレンコのサポートが噛み合わないところがあり、ヒヤっとしました。サレンコはきちんと踊っていたと思います。
どんな体型になっても、マラーホフへの愛は変わりません。どうかファニー・ガラで楽しませて!

〇「シナトラ組曲」より“ワンフォーマイベイビー”イーゴリ・ゼレンスキー
黒い細身のズボンにエナメル・シューズでカッコ良く踊っていました。
ゼレ、フェス参戦ありがとう!

〇「ペール・ギュント」アンナ・ラウデール/エドウィン・レヴァツォフ
すみません、あまり印象なし。レヴァツォフのジュテの着地音が響いたのが気になりました。

〇「悲しみのエチュード」より“4つのダンス”マルセロ・ゴメス
今日から参戦のゴメスを観られたのは嬉しかったけれど、ヴィシニョーワとの調整がつかず、ソロになってしまったのが、ちょっと残念。まさかファニー・ガラのために来日?!
でも、さすがゴメス。上手いし、魅せ方を心得ている。こういう物語性のない作品は飽きてしまうことが多いけれど、ゴメスの動きは面白さもあるし、つい引き込まれました。全然見飽きなかった。曲も耳馴染みのある曲だったので、それも良かったかも。
「悲しみのエチュード」というわりには、子犬のワルツなどは楽し気に踊っていました。
ゴメス、体系的にはガッチリ系なのに、踊りは軽やかで、ジュテの着地音も一番静かでした。他の男性ダンサーにも学んでほしい。跳躍したら着地音がするのは当たり前と思わずに。
ただ、若干お腹まわりは危ないので(^_^;)これ以上は体重を増やさない方がいいかも。
ゴメスって本当に色男すぎるけれど、ゲイなのかバイなのか知りたいところ(^_^;)
どれでもいいけれど、是非、ファニー・ガラには参戦してオカマルセロを披露してほしい。

〇「ライモンダ」ウリヤーナ・ロパートキナ/ダニーラ・コルスンツェフ
ダニーラとロパ様ペアを観られるだけで眼福。
ダニーラの白マント、素敵でした。ダニーラは決して目立つ王子様タイプではないけれど、女性を優しくサポートするナイト、まさにダンスール・ノーブルのダンサーです。
そんなダニーラの頼れるサポートを得て、ロパ様は、ティアラの宝石よりも輝いていました。美しすぎる。ロパ様の脚も美しすぎて惚れまくり。
Aプロに行った友人によると、二人の「白鳥」は神がかっていたそう。並み居る世界のトップダンサーの中でも、別格だったそうです。
12月の「白鳥」公演も、どうか二人とも絶好調でいてほしい!!!

【第2部】
〇「眠れる森の美女」リュドミラ・コノヴァロワ/マチアス・エイマン
うん。なるほど。エイマン、踊りは良かったけれど、衣装はあまり似合っていなかったかな。コノヴァロワが巨乳なのはわかりました。

〇「ノーマンズ・ランド」アリーナ・コジョカル/ヨハン・コボー
戦争によって引き裂かれる男女の心理を描いているのかな。
コジョカルの表現力も良いし、コボーのサポートもこなれている(当たり前だけど)。
二人のシェネなど、きっちりシンクロしていて、さすがでした。
コジョカルは、本当に音楽性がある、というか、音楽そのもの。音と一体化できる数少ないダンサーだと思う。
カテコでは、コボーにもピアニストにも感謝のお辞儀をしていて、本当に腰の低いダンサーなんですね。可愛すぎる性格に愛しくなってしまう。

〇「海賊」サラ・ラム/ワディム・ムンタギロフ
ムンさんのアリというのも、すごく意外性がありました。コンラッド的なイメージだけど。
でも、全然イケてました。ムンさんは、「オレ様のスゴ技を観ろ」というところが全くないけれど、難技もサラリとこなしていました。サポートのときの姿勢も美しく、女性のサポート・ピルエットでへっぴり腰になる男性もいるのに、ムンさんはまっすぐな姿勢を保ったまま、サラリとサポートしていました。このサラリ感にハマる。
ラムちゃん(^_^;)は、2013年ロイヤル公演「白鳥」でコジョカルの代役のマルケスの代役で見たときは、あまり上手いと思えませんでしたが、今回は上手くソツなくこなしていました。メドーラのフェッテも、長くダブルを織り交ぜて回転していたし、軸もかなり直線移動。成長ぶりが見られて良かった。

〇「ギリシャの踊り」オスカー・シャコン
ギリシャの踊りは、波のイメージでわりと好きなのですが、一時期、あまり何度も見たので見飽きていました。でも、オスカーの踊りは、東バの日本人ダンサーと、筋肉の使い方が全く違う。もっとも、筋肉の付き方が日本人とは違うけれど。
オスカーの踊り、今まで見たギリシャとは違って、これまたすごく良かったです。
ブラボー!

〇「マノン」より“第1幕のパ・ド・ドゥ”オレリー・デュポン/エルヴェ・モロー
オレリーのマノンは、初見。
フェスでは、近頃、クラシックかコンテばかりだったので、「マノン」は意外性もあってとても良かったです。もう「扉は必ず・・・」は見飽きた(^_^;)
モロー、デ・グリュー衣装が似合っていました。なんか、顔立ちがナイナイの矢部を連想してしまったのは私だけ?(^_^;)
愛に溢れる二人の軽やかな(難しい)パ・ド・ドゥ、息も合って見ごたえたっぷり。
オレリーの新たな一面に魅せられました。

【第3部】
〇「ロミオとジュリエット」ヤーナ・サレンコ/スティーブン・マックレー
二人に似合っていたし、問題なくこなせていました。サレンコは降板がない上に代役もやる働き者。押し出しが強くないので、さほど目立たないのが可哀相だけれど、きっちり踊れるテクはあるダンサーだと思う。ただ、ジュリエットに関して言えば、「フェリならもっと脚をこうする」とか思ってしまったので、もう少し軽やかさが欲しい部分もありました。
でも、ジュリエットの演技もできていたし、踊りも決して悪くなかったです。
マックレーも、テクニック的に何の問題もなし。

〇「伝説」アリシア・アマトリアン/フリーデマン・フォーゲル
アリシアは、脚がよく引きあがっていました。テクのあるダンサーなので、コンテ系のほうが似合うような気もしますが、11月の「オネーギン」では、どんな演技を見せてくれるかな〜。
フォーゲルは、白い歯を見せて楽しそうに踊っていて、笑顔が可愛い。この笑顔は、やっぱりロミオ〜と思ってしまいますが、「オネーギン」を取ってしまった私・・・。
踊りも綺麗でした。

〇「椿姫」より第3幕の“パ・ド・ドゥ”タマラ・ロホ/アルバン・レンドルフ
前回のバレエ・フェスで、タマラの「マルグリットとアルマン」田園のパ・ド・ドゥを観ましたが、胸を病んだ中年の女性というより、可愛いお人形のようで、全くマルグリットの枯れ感がなかったので、ドラマティック・バレエに挑戦する心意気はいいものの、似合っていないと感じました。
あれから3年。どう成長したかと思いましたが、今回は大成功でした。
まず黒いベールをはずすと、黒いドレスに漆黒の髪のタマラを見た瞬間「ラ・ジョコンダ〜」(モナ・リザ)と思ってしまった。今回のタマラは、しっかり年季の入った女性になっていて、その迫力に圧倒された。脚の運びやテクニックはタマラのお得意技なので、文句なしだし、表現力も十分でした。タマラの成長ぶりを観られて良かった。
レンドルフは初見でしたが、タマラと息も合って、踊りもしなやかで上手いし、サポートも上手かった。今まで登場しなかったのが不思議なくらい、実力あるダンサーだと思う。
ショパンの音楽に載せて、二人の熱い吐息の感じられるドラマティックな舞台でした。
オレリーのマノンといい、タマラのマルグリットといい、今まで披露したことのない新境地を見せてくれたのが非常に良かったです。

〇「レブルジョワ」ダニール・シムキン
これは、前回も観ました。今回は、相手役のコチェトコワが降板ということで、シムキンのこのソロになりました。
童顔のシムキンがくわえタバコで精いっぱい背伸びしている感じが面白い。眼鏡をかけるとハリー・ポッターだし(^_^;)
コミカルな演技も面白いし、キレキレのトゥール・ド・レンやファイブ・フォーティのような回転技も見事。楽しかった♪

〇「オールド・マン・アンド・ミー」ディアナ・ヴィシニューワ/ウラジーミル・マラーホフ
若い娘に翻弄される中年(老年?)の男という設定が、なんだか本当にこの二人に合っていて自虐ネタっぽい(^_^;)タイトルは、「マラーホフ・アンド・ミー」でも良いかも(^_^;)
ヴィシは、胸無しスジ腕なのに、なんでこんなに色っぽいのかとおもうくらい色気たっぷり。このお色気、憧れます。夜会巻きに紫のドレスが似合いすぎる超絶美人。個人的に、スジ腕フェチなので、ヴィシの女性離れしたスジ腕にそそられます。
ヴィシの色気に最初は無反応だったマラーホフ老人も、やがてつられて踊り出す。
二人が、風船をふくらますように息を吹き合うのが可笑しい。コミカルなヴィシも可愛い。
でも、後半は年老いてゆくものの悲哀を感じさせる終わり方でした。
長かったけれど、これまた二人の新しい境地を見せてくれて楽しかったです。
でも、ヴィシに関していえば、「アンナ・カレーニナ」のようなドラマティック・バレエかコンテなら「イン・ザ・ミドル」みたいなヴィシのテクを堪能できる作品が見たかった!

【第4部】
〇「瀕死の白鳥」ウリヤーナ・ロパートキナ
久々のロパ様の「瀕死」。ロパ様は、白鳥衣装が似合いすぎ。
Aプロを観た友人が、2幕の最初に、「追悼・マイヤ・プリセツカヤ」と称して、マイヤの瀕死の白鳥の映像を流したと言っていて、Bプロでもやるかと思ったら、会場の外でビデオを流しているだけでした。
ロパ様の「瀕死」があるから、会場では流さなかったんだなと思いましたが、ロパ様の「瀕死」自体が、ロシアを代表する名バレリーナ、マイヤへの追悼の意味もあったのではないかとも感じました。
ロパ様の「瀕死」は、マイヤの「瀕死」とは全く違う。死に瀕しながらも、激しいほどの生への渇望を表す白鳥と自らの終わりを静かに受け入れる白鳥。そのどちらも心を打つ。
マイヤとは全く違う白鳥を演じながらも、ロパ様の白鳥は、バレエの先達への畏敬の念を表していたのではないかと思う。そして、先達が切り拓いたバレエの道を自分なりの表現で受け継いでいく、そういった連綿と続くバレエの歴史をも感じさせました。
「瀕死」は、それだけ特別な作品。誰でも踊れるものではない特別な作品なのです。
今は亡きバレエの名花も、きっと天国から、今を生き踊る名花に拍手を送っているにちがいない、そう思った時、レヴェランスで見せたマイヤの笑顔がふっと心に浮かびました。

〇「シルヴィア」シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ
「シルヴィア」ってアシュトンの「シルヴィア」を連想してしまいましたが、現代風のほうね(^_^;)
申し訳ないけれど、ロパ様の「瀕死」とマイヤの「瀕死」を思い返していたら、あまりちゃんと観ていませんでした。ごめんなさい。久々のアッツオーニとリアブコだったのに。

〇「椿姫より第1幕のパ・ド・ドゥ」マリア・アイシュバルト/マライン・ラドメーカー
始まるとすぐに、アイシュバルトが咳き込みながら駆け込んできます。この時点で、すでにガラであることを一瞬忘れ、物語の世界へ。
咳き込んだあとの間が長いのだけれど、この間の取り方が絶妙!
アイシュバルトは、それをよく心得ている。まさにダンサーでありながら女優。だからドラマティック・バレエがハマるのだと思う。
鏡の自分の姿に呆然とし、打ちひしがれたようにレカミエに身を投げ出す。
そこへ、マライン登場。マラインに手を触れられると、驚いて顔を上げるアイシュバルト。
先程までの悲壮感を押し隠し、魔性の女を演じるアイシュバルト。若い男を手玉に取って心を弄ぶ。でも、その心の内は、不安の影に覆われている。
アイシュバルトの足に接吻し、その足元に身を投げ出し、愛の情熱を捧げるマライン。こんなイケメン男子に恋い焦がれられたら、そりゃ心動くわ(^_^;)
マラインは、脚が長くて黒タイツがとてもお似合い。足先のしなりがとても綺麗。
二人のパートナーリンクもバッチリ。
この二人のドラマティック・バレエは、いつも柄であることを忘れてしまいます。
素晴らしかった!ブラーヴィ!

〇「こうもり」イザベル・ゲラン/マニュエル・ルグリ
東バの矢島さんが出演と書いてあったので、どの場面をやるのかなと思ったら、電話の場面でした。そうか、ルグリはウルリックだったのね、と納得。
旦那が遊び歩いていることに腹をたて落ち込むゲランを「笑って」と慰めるルグリ。
チャップリンのような役柄が意外性があって、ウルリックも、ルグリの当たり役ですね。
軽やかなステップ、脚捌きはとても素晴らしかった!ルグリ、まだ現役いける!
ゲランも現役時代と変わらない体型をキープしていて、まだいけそう。
「ノートル・ダムの鐘」で見たスジ脚も健在で、また見られて良かった!
シュトラウスの軽快な音楽とルグリの軽やかなダンスに心も弾みました。
とっても楽しかった!

〇「ドン・キホーテ」マリーヤ・アレクサンドロワ/ウラディスラフ・ラントラートフ
トリにふさわしいゴージャスな二人。
出てきただけで、キラキラの粉が舞って見えるほど華やか。さすがボリショイ!
祭りの最後を盛り上げる最高の笑顔で踊ってくれました。
踊っている最中も、ラントラートフがマーシャの耳にチュッとすると、マーシャもラントラートフにキスしたり、キトリ&バジルの幸せ感にこちらもウキウキします。
マーシャの勢いのあるピルエットやシェネも素晴らしかったし、バランスも良かった。
ラントラートフの片手リフトも安定していたし、カブリオールやトゥール・ド・レン、マネージュなどもダイナミックでした。
二人のピルエット・ランヴェルセやバロッテ・アン・ナリエールもよく揃っていました。
去年のボリ公演では、マーシャのコンディションがあまり良くなく、グラン・フェッテをピケターンに変えていたので、今回もキトリのグラン・フェッテができるか心配しましたが、シングル・フェッテをしっかり回りきったので安心しました。はぁ〜、グラン・フェッテ成功して良かった!
ボリショイ・ペアならではのゴージャスな踊りに、気分は最高潮でフィナーレへ。

ダンサーたちが登場し、女性陣がレヴェランスをしている間、なぜかラントラートフだけがやたら後方に下がっていました。面白い♪
それでついラントラートフを見ながら拍手をしていたら、なんだかラントラートフがL側上方を見たようだったので、手を振ってみたら、なんと振り返してくれたではありませんか!
私の列の並びの女性も手を振っていたし、他の階でも振っている人がいたのかもしれませんが、なんだか嬉しくなって、また手を振ると、今度は手を振り返しながら、ラントラートフがピョンピョン飛び跳ねだしました。可愛すぎる!これには、完全にハートをもっていかれました。ヤバイよ、ラントラートフ。フィナーレで惚れさせるなんて(*^_^*)
カテコでも、マーシャとラントラートフは、ジュテで出てきたり、サービス精神たっぷりに会場を沸かせてくれました。
今回は、演目も見ごたえがあったし、プログラム構成も飽きがこない構成で良かったし、そして何よりダンサーの踊りのクオリティが高かったので、どれも素晴らしかった。
本当に、世界レベルの踊りを堪能できました!
祭り最後のフェス・ガラでも、思いっきりハジけてほしい!
posted by ひつじ at 18:14| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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