2015年05月28日

バレエ末席物語〜ブルメイステル版「白鳥の湖」ソーモワ&ソボレフスキー〜

ブルメイステル版「白鳥の湖」
スタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場バレエ

オデット/オディール・・・ナターリヤ・ソーモワ
ジークフリート王子・・・ドミトリー・ソボレフスキー
王妃・・・マリア・ポタポワ
ロットバルト・・・イワン・ミハリョフ
道化・・・アレクセイ・ババイェフ
アダージオ・・・クセーニャ・ルシコーワ
他 国立モスクワ音楽劇場バレエ団

2008年以来のダンチェンコ、ブルメイステル版の「白鳥」を観てきました。
前回の来日のときは観られなかったので、7年ぶりです。
最初に感想を一言で言ってしまえば、実に素晴らしかった!!!
以前より全体のクオリティがアップしたと思います。

〇プロローグ
オデットがロットバルトの魔法で白鳥に変えられるシーンが挿入されているのが、ブルメイステル版。天女の羽衣のような薄布の衣裳のソーモワ/オデットが、岩場でユリの花を摘んでいると、ロットバルトに捕えられ、持っていたスカーフを落として姿を消します。

〇第1幕
幕が開くと、森の背景の中、ブルーを基調とした衣装の人々が宴をひらいています。
衣裳がとても美しい。
王子はすでに黄金のガゼボの中に立っています。ソボレフスキー/王子、光物のついた黒いベルベットのベストに、白いタイツが長い脚にお似合い。
ババイェフ/道化は、ピルエットの軸が非常に安定していて、回転数も多い。軽く10回は回っていました。ジャンプの着地も決めのポーズも文句なし。道化は基本的にテクニックのあるダンサーが踊りますが、中には着地が不安定なダンサーもいるのですが、ババイェフはかなり上手いダンサーだと思います。彼の安定した踊りを観ただけで、「これは期待できるかも」と思いました。後で、友人に聞いたところによると、このダンサーは、まだソリストでもないそうです。へ〜、びっくり。でも、これだけ踊れればすぐソリストになれそうです。

コールドも、オペラグラスで良く見ると、イケメン率高し!しかも、身長もなかなか揃っていて脚も長い。女性も美人率が高かった。ヴィジュアル的にも良い上に、踊りもなかなか揃っていました。若干、テンポが遅れたり、脚の上がりにばらつきがなくもありませんでしたが、それもほとんど気にならない程度。さすがロシア・バレエ。レヴェルが段違い!

花篭を持った女性ダンサーの中で、道化と組んで踊ったダンサーの表情がなかなか良かった。(名前がわからない)3幕で、四羽の白鳥の一人を踊っていました。
パドカトルの男性陣も勢いがあって脚の上がりも良かったです。ザンレールが5番に入らないのは、他のバレエ団のダンサーでもよくあること。

オディールの踊りでよく使われる曲で、ブルメイステル版では、女官役のダンサーが踊るアダージョがありますが、これを踊ったルシコーワは、美女中の美女!端正な美しい顔に上品な色気もある、とても魅力的なダンサーでした。踊りも上手かったです。すぐに、「きっと主役も踊っている」と感じましたが、休憩時間にチラシを見返すと、翌日24日のオデット/オディール役になっていました。ルシコーワのオデット/オディール見たかった〜。23日に一緒に見た友人は、翌日も観ることになっていて、羨ましい。

ソボレフスキー/王子、ソロでここぞとばかりに頑張って踊っていました。長い脚がよく伸び、ザンレールも綺麗だし、ジュテも伸びやか。決めポーズも、脚を広く伸ばし、背中の反りもイナバウアー(^_^;)素晴らしかったです。

ちなみに、ポタポワ/王妃も美人!ホント、美男美女率が高くて、目の保養になりました。

〇第2幕
湖に狩りに来た王子の目の前に、ソーモワ/オデット登場。ソーモワ、軸が真っ直ぐなので、どんな踊りも軽く難なくこなしていました。床に刺さるようなピケ、アン・オーの腕も綺麗だったし、指先も綺麗でした。おそらくまだ若いダンサーなのでしょうが、テクの安定感は文句なしでした。ソーモワってダンサーは金髪率が高いのかな(^_^;)と、アリーナのほうを連想しながら思いました(^_^;)
ダンチェンコのダンサーの良い点は、皆、ルティレがひざ上まで必ず引き上がっていること。主役はもちろんのこと、コールドも皆、きちんとルティレが引きあがっていて、それだけで美しい踊りになります。芸監は、ゼレンスキー、バレエ・マスターはウヴァーロフだそうですが、指導が良いのがわかります。さすが!
コールドの縦ラインもよく揃っていて、脚の上がりも揃っていました。

〇第3幕
ブルメイステル版一番の見どころの第3幕。
舞台のセットも本物志向で、非常に豪華。衣装は、赤、金、黒を基調とした重厚なもの。
後のロットバルト軍団に合わせているんでしょう。
キャラクターダンスは、ロットバルト率いる悪の軍団になっていて、畳みかけるように王子を誘惑していきます。スペインのダンサーが踊っていると思いきや、ロットバルトのマントからオディールをチラ見せ。王子がオディールのもとへ駆け寄ろうとすると、サッとマントで隠し、スペイン・ダンサーが代わりに現れる。ナポリもマズルカも皆、女性はオディールの化身として王子を誘惑。特に、ロットバルトがマズルカの女性に耳打ちすると、流し目で王子を惑わしにかかります。マズルカのアイトワは、これまた美人なので、私ですらクラッとなった(^_^;)
これだけ見せつけられてフラフラになったところに、オディールの目くらましにあったら、王子も抗えないでしょう。
ソーモワ/オディール、軸足がしっかりしていて、グラン・フェッテはシングルでしたが、直線移動の綺麗なフェッテでした。ダブルを入れるより、こういうブレないシングル・フェッテのほうが私は好き。
ロットバルト軍団の踊りはどれも圧巻。ドラマティックで迫力満点です。

〇第4幕
幻想的なコールド。
悔悛の王子がやってきて、オデットと愛を確かめ合いますが、ロットバルトが二人を引き裂く。王子の足元がさざ波立つのも、この版の特徴。
岩場の上のオデットを助けおろす王子。このときいつも、オデットの脚がセットにひっかからないか心配になりますが、いつも大丈夫。
ブルメイステル版は、ロットバルトと王子が戦わないのが、やや拍子抜けします。あっさりバージョン。そして、ラストは人間に戻ったオデットと王子のハッピーエンド。
欲を言えば、主役二人のインパクトがもう少し欲しい気もしたけれど、まだ若いので、これから箔をつけていってほしいと思います。テクニック的には、ボリ・マリにいても遜色ないくらいしっかりした踊りでした。
ドラマティックな演出、豪華なセット、美しい色合いの衣装、そして、美男美女揃いのダンサーたちの踊りのクオリティの高さ、全てがとても素晴らしかったです。
ダンチェンコ、侮れません。ボリ・マリに匹敵するバレエ団に成長していってほしいものです。次回、来日したら是非また観たい!と思わせるような舞台でした。

追記:ちなみにオケもモスクワから引き連れて来日していて、これまた音がロシア!
先日のバーミンガム・バレエの演奏をした某オケ(日本)の耳汚しなグダグダ演奏とは雲泥の差。
モスクワのオケの音は、なんと華やかでしょう。音にキラキラの粉がついて見えるかと思うほど。
特に、ハープやバイオリンのソロが美しかった。
同じ楽器を使っていて、どうしてこうも音色に差がでるのか不思議。
日本の某オケにも学んでいただきたいものです。

posted by ひつじ at 18:13| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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