2014年03月11日

バレエ末席物語〜「マノン」ケント&ボッレ〜

「マノン」
マノン・・・ジュリー・ケント
デ・グリュー・・・ロベルト・ボッレ
レスコー・・・エルマン・コルネホ
レスコーの情婦・・・ステラ・アブレラ
ムッシューG・M・・・ロマン・ズービン
他 アメリカン・バレエ・シアター

今回でラスト全幕かもしれないケントと9年ぶりのボッレのペアを観てきました。翌日は、ヴィシ&ゴメス。豪華キャスト〜。
日本での全幕公演は9年ぶりのボッレだそうですが、9年前の2005年も英国ロイヤル公演で「マノン」のデグリューを踊っています。そして、その公演を私も見たので、本当に9年ぶり。

○第1幕
ABTの「マノン」は初見だと思いますが、英国ロイヤルと同じような衣装、装置だったのですんなり入り込めました。

幕が開くと、コルネホ/レスコーが黒いマント、黒い帽子で舞台前方に座っている。
町人たちが踊りだし、GMやマダムが馬車で現れる。
バスメイジー/マダムは、つばの広い帽子で顔を隠し、黒いドレスを着ているけれど、唯一見える胸元の谷間をすごく強調していて色っぽかった。ダンサーでも谷間のあるダンサーがいるのね〜(^_^;)すごく寄せ上げしていたんだと思うけれど、娼館のマダムらしくお色気ムンムン(^_^;)
コルネホ/レスコーのソロ、とても良かった。足先にまで神経がいっていて、ピルエットやガルグイヤードのときの足先が綺麗だった。役にも入り込んでいた。

気が付くと水色のフロックコートを着たボッレ/デ・グリューがすでに登場していた。
胸板厚っ!衣装の上からでも、その鍛え上げられた体がよくわかる。こんなマッチョな神学生も珍しい(^_^;)
馬車から降りてきたケント/マノンは、爽やかなミントブルーの衣装そのままに清楚で美しい。
そんな清らかなイメージのケント/マノンが、老紳士の札束に心動かされるところに、人間の性を感じさせる。
上手の椅子に座るボッレ/デ・グリューは、反対側の椅子のマノンを微笑みながら見つめていた。
出会って一目で惹かれあう二人。
ボッレ/デ・グリュー、マノンへのアピール・ソロのとき、軸足がグラついていた。
パ・ド・ドゥのときも、背中を反らせるケントをサポートするとき、取りこぼしそうになって、ヒヤッとした。かなり危なかった。
踊りの最中、ケントの衣装、背中の上部ホックが外れていたのがちょっと気になった。
ケントは、足先が綺麗。ピケも突き刺さるようだし、パ・ド・ブレも滑らか。
老紳士から金を巻き上げ、馬車で駆け落ちする二人。ボッレは御者に馬車を出すよう手で合図していた。

寝室のパ・ド・ドゥは、取りこぼしなくまとめられていたけれど、マクミランのアクロバティックなパ・ド・ドゥを流れるようにこなし、かつまた感情を踊りにのせられていたかというと、どうなのかな。

ボッレが手紙を持って部屋を出ていくと、入れ替わるように、レスコーがGMを連れてやってくる。豪華なガウンを着せられ、GMに首飾りを贈られるマノン。
レスコーとマノン、GMのパ・ド・トロワ。ケントのおみ足が美しい、ので、GMが惹かれるのもわかる。ズービン/GMは、マノンの脚をねちっこく撫でていた(^_^;)
途中で首飾りがはずれ、ケントが上手くごまかして手に持ちながら踊っていた。
GMの愛人になることを承諾したマノン。
GMとマノンが去った後、デ・グリューが戻ってくる。マノンの姿を探すデ・グリューの背後からレスコーが跳びかかる。
マッチョなボッレが、コルネホに力で負けるというのがやや不自然だけれど、シムキン&ゴメスに比べればマシか(^_^;)

○第2幕
マダムの娼館でのパーティー。
コルネホ/レスコーは酔っ払いの演技も上手いし、酔っ払い演技をしながらも踊りにキレがある。コルネホは足が綺麗で、踊りもパーフェクト。レスコー役もハマっていて、演技をしているというよりレスコーそのもの。役が自分のものになっていて、名脇役!個人的に、この回の「マノン」で一番役にハマっていたと思う。
マノンを探してデグリューも娼館にやってくるが、娼婦たちに取り囲まれるイケメン・デグリュー。

マノンがGMと登場。GMの愛人となったケント/マノンは、蛹から羽化した蝶のよう。その変貌ぶりがすごい。でも、艶やかでありながら、決して下品にならないのがケント/マノン。光り輝く神々しさだった。
誘うような目が、まるでオディールのようで、そのファムファタル的目力に魅了されてしまう。
そんな美しいマノンにGMは二つ目のブレスレットを贈る。
ケントがソロを踊っている間、周りの人々は、ストップモーションになっていた。上手のテーブルで、上向きで口に酒を注がれるポーズのまま静止した娼婦役ダンサーが大変そうだなと思った。踊るより静止し続けるほうが大変かも。地味な努力(^_^;)

マノンは言い寄るデ・グリューを相手にしない。
次々と男たちに担がれるケント/マノンのスカートのホックがはずれ、下の肌色の衣装が丸見え(焦)男性たちはケントをリフトして回転させるときなど、ウエストではなくスカート部分を持つようにして脱げないよう気を遣っていたようだけれど、それでも、かなり脱げそうでヒヤヒヤした。そっちが気になりすぎて、踊りに集中できなかった。
踊り終えた後、上手で、GMがマノンを隠すようにして、男性コールドの一人がスカートのホックを留めてあげていた。思わぬハプニング。

GMが去ると、デ・グリューはマノンへの一途な想いを捧げる。ボッレの脚とお尻の鍛え上げられた筋肉がすごい。次第に心動かされたマノンは、ドレスの胸にイカサマ用のカードを入れて再登場。このカードが大きすぎて、ドレスの胸に挿むのはちょっと無理があるかも(^_^;)
マノンに「このカードでGMからお金を巻き上げて」と言われ、困惑するデ・グリュー。

GMと同じテーブルでポーカーを始め、デ・グリューは勝ち続ける。ポーカーに負けたGMがイカサマ賭博に激怒し、乱闘が始まる。
隙をついて、デ・グリューとマノンは手に手を取って逃げ出す。
怒ったGMが、テーブルに隠れたレスコーに剣を突きつける。

デ・グリューの部屋で愛を確かめる二人。
今回のボッレは、演じているときと素になるときが見えて、完璧に役に入り込んでいるとは言い難かったような・・・。特に、軸が不安定になると、顔が素になる。
本調子じゃないのかな。ケントとのパートナーリンクは、どうなのかな。この日は、ぴったり合っているとは言い難い感じだった。

幸せな時間も束の間、GMが詐欺容疑でレスコーを捕え、警官と共に乗り込んでくる。
手錠をかけられ、マノンの目の前で殴られ、最後は銃殺される。
今回、コルネホ/レスコーは非常にハマり役だった。レスコーそのものといってもいいくらいで、とても存在感のあるレスコーだった。

○第3幕
ニューオリンズ。水色を基調とした美しい衣装の男女が集う中、奴隷となって運ばれてきた女性たちが現れる。髪は短く切られボロボロの服の女性たちの哀れな踊り。看守に品定めをされた一人の女性が、金持ちカップルの女性に助けを求めるようにすがりつく。
輪になる奴隷たち。憐れんで奴隷たちを取り囲む人々。
そこへ、デ・グリューに肩を抱かれたマノンがやってくる。髪はザンバラ髪で、ボロボロのケント/マノン。脚は、生脚ではなくタイツだった。個人的に3幕マノンは、生脚が好み。明日のヴィシニョーワに期待。
ハムーディ/看守に気に入られ、マノンはデ・グリューと引き離され、駐屯兵に連行される。マノンの後を追うデ・グリュー。

看守の部屋。机で書き物をしている看守の前に引き出されるマノン。看守はマノンの罪状を書き、GMの贈り物であるブレスレットを見せる。許しを乞うマノンに、看守は欲望をむき出しにする。マノンをねじ伏せ、片脚ずつ撫で上げる。
後ろ向きで、マノンの顔に腰を突き出す看守。さらっと振付けられているけれど、かなり過激なシーン。
そこへデ・グリューが現れ、看守を後ろから刺す。看守を殺してしまった二人は逃げだす。

行き場を失い、ルイジアナの沼地に逃げ込んだ二人。その背後を過去の幻が行き交う。GMとマダムの幻にポーカーのカードを差しだされ、恐れる二人。
弱りきったマノンをリフトするデ・グリュー。腕を突き上げて息絶えるケント/マノン。ケントは息絶える瞬間がわかりやすかった。
マノンが死んだと気づかず、デ・グリューはマノンの体を自分の体で持ち上げようする。そこで、マノンが息絶えたことに気づく。マノンの亡骸を揺さぶり激しく慟哭するボッレ/デ・グリューの前に幕。

今回は、ハプニングが多かったこと、ボッレの調子がどうなのかなということ、ボッレとケントの相性はどうなのかなど、ちょっと気になることが多くて、ストーリーに入り込み辛かったけれど、愛すべきキャラのケントとギリシャ彫刻のようなボッレを観られて幸せでした。
posted by ひつじ at 12:03| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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