2013年10月20日

バレエ末席物語〜「ジゼル」上野&ホールバーグ〜

「ジゼル」
2013年10月12日

ジゼル・・・上野 水香
アルブレヒト・・・デヴィッド・ホールバーグ
ヒラリオン・・・柄本 弾

バチルド姫・・・奈良 春夏
公爵・・・木村 和夫
ウィルフリード・・・森川 茉央
ジゼルの母・・・橘 静子
ミルタ・・・高木 綾
ドゥ・ウィリ・・・乾 友子、吉川 留衣

他 東京バレエ団

デビ君のアルブレヒト・デビューを見に行ってきました。
(東バ、デビ君を招聘するのが遅すぎ)
ABTのコール・ド時代から期待をかけていたデビ君も、トントン拍子でプリンシパルに昇進。今では、アメリカ人初のボリショイ・プリンシパルにまで成長。
私の目は間違っていなかったと、息子の成長を喜ぶ親の心境です(^_^;)
それにしても、東バのジゼルはすごく久しぶり。懐かしい(^^)
実は、水香ちゃんジゼルを観るのも、なんと2008年の初ジゼル以来。



○第1幕

前髪をきっちり上げたデビ君は、どうみてもプリンス。
いくら衣装を変えても、絶対村人には見えないでしょ(^_^;)
恰好良すぎです〜(*^_^*)
この日は、仕事の後、文化会館に駆け込んだので見られなかったのですが、友人はお昼からのクラスレッスンを見学し、無造作ヘアーのデビ君も「萌え〜」だったと言っていました。ヨダレヨダレ〜。

ヒラリオンは若手ナンバーワンの弾くん。若いので、ゴムまりのように元気な踊りで良かったのですが、ヒラリオンとしての演技はまだまだかな。ややわざとらしさを感じてしまった。
言ってもしょうがないことだけれど、木村ヒラリオンの幻影が思わずチラつきました。
ヒラリオンなりの無骨な愛情を捧げる木村ヒラリオンには、つい肩入れしてしまったものです。世代交代は仕方のないことですね。

ウィルフリードは歌舞伎顔(失礼)の森川さん。意外と背が高いんですね。森川さんは、12月の「ザ・カブキ」で念願の由良の助デビューとか。
森川さん/ウィルフリードに忠告されながらも、デビ/アルブレヒトは言うことを聞かず、ジゼルの家へ。
ドアをノックし、ジゼルが出てくると、家の脇に姿を隠すのですが、デビ君は背が高いので、軽く家の屋根越しに頭がでてしまいます(^_^;)
それを利用してか、ジゼルがアルブレヒトを探し回る様子を楽しげに見ていました。

水香ちゃんとデビ君のジュテは高さも合っていて、なかなか息があったパ・ド・ドゥでした。
デビ君の長い脚がまっすぐ伸びるジュテは、とても見ごたえがあります。脚が美しすぎる。
ただ立っているだけでも、お尻から脚のラインの美しさに目が釘付け。顔もイケメンだけど、とにかく脚!タイツがこんなに似合うお尻&脚はそうそうないでしょ。
着地の音も小さかったし、踊りは良かったのですが、一つだけ気になったのは、シソンヌの着地で、アラベスクに伸ばした脚がいつもブレること。
着地直後に静止するのは難しいかもしれませんが、そこをきちんとブレないアラベスクにできると良いと思います。期待大のデビ君だけに、あえて厳しい意見。愛の鞭です。

水香ちゃんもテクニックが格段にレベルアップしていて驚いた。
もちろん非常に軽やかだし、軸がまっすぐで踊りがしっかりしていて、高速シェネだけでも見せ場になってしまう。
個人的に、水香ちゃんの演技があまり好みではなかったのだけれど、ベテランの域にさしかかりつつあるだけに、役がこなれてきた感じ。
一つだけ、ヒラリオンにアルブレヒトが実は高貴な身分だと言われたとき、「そんなの信じない」という表情が若干わざとらしく感じてしまいました。(失礼)
それ以外は良かったのでは。

ペザントやパ・ド・シスは、もうほとんどが若手。知らないダンサーがほとんど。乾さんだけベテランで頑張っていました。

ジゼルのお母さんは、いつもの橘さん。ホント、何年この役やっているんだろう(^_^;)
もうこの役はお手のもので、吉岡さん/ジゼルのときは顔の汗を軽く拭く程度なのですが、汗っかきの水香ちゃん/ジゼルには、胸元の汗をエプロンでしっかり拭ってあげるのです。
今回も、しっかり汗を拭ってあげていました。さすが母(^^)
水香ちゃんは代謝が良いのか、いつもすごい汗が光っています。高岸さんも汗っかきなので、二人のドン・キのときは、汗まみれでした(^_^;)体質が似ているのかな。

ヒラリオンではもう見られない木村さんは、公爵役で登場。脇役ですが、ジゼルの家へ入るとき、他の貴族や侍従たちに去るよう手で命じる演技が威厳ありました。とても偉そう(^_^;)
奈良さん/バチルドは、普通に気位の高いお姫様。
バチルドに「その村人風の恰好は何?」と問い詰められるとき、アルブレヒト役の他のダンサーはたいてい「僕どうしたんだろう?記憶にないな」とわざとらしい誤魔化しをするのですが、デビ君/アルブレヒトは弓矢を引くマイムで「狩りのためさ」というような言い訳。デビ君なりの解釈が良かったです。

アルブレヒトが高貴な身分で、婚約者がいたことを知った水香ちゃん/ジゼルは、激しい狂乱ぶり。他のダンサーのジゼルでは、最後にアルブレヒトの腕に飛び込んだとき、心臓が止まって息絶えますが、水香ちゃんは、その前に一度、心臓が苦しくなって、舞台中央で倒れてしまいます。心配して駆け寄ろうとするデビ/アルブレヒト。
デビブレヒト(^_^;)は、遊び人ではなく、心からジゼルを愛していたという感じ。
再び起き上がり、死の影を見て錯乱する。もはや母もアルブレヒトも見えてはいない様子。
駆け寄るアルブレヒトの腕で息絶えるジゼル。
ジゼルの死に激しいショックを受け、ジゼルを掻き抱こうとするデビブレヒト。母親にどけられ、ヒラリオンのせいだと剣で刺そうとしますが、ウィルフリードに留められます。弾くん/ヒラリオン、アルブレヒトに刺されそうになるとき、両手を広げて「殺せ」というマイムをしますが、木村ヒラリオンは、もっと絶望感に打ちひしがれた感じでした。そういう感じがもっと出せるといいかなと思います。まぁ、これから成長していくのでしょう。
デビブレヒトは、自分で走り去るのではなく、ウィルフリードに抱えられるようにしてその場を去ります。

○第2幕
薄暗い森の中の墓地。下手には真新しいジゼルの墓。上手から、打ちひしがれた弾くん/ヒラリオンが登場。ジゼルの墓に可憐な白い花を手向けます。が、そこへ、火の玉が。恐れをなして逃げるヒラリオン。

高木さん/ミルタが登場。高木さん、パ・ド・ブレなど脚は良いのですが、肩から背中が硬い感じ。これも言ってもしょうがないことですが、出てきたとたんにゾクゾクする冷気、死の世界を感じさせる井脇さんミルタが懐かしい。井脇さんミルタは、指先まで神経が行き届いていて、本当に絶品ミルタでした。今は、ご自身のバレエ団で頑張っていらっしゃいますね。井脇さんのドン・キ公演も見てみたかったけれど、なにしろ厳選に厳選を重ねてチケットを買わなければならない身分なので。
余談ですが、今年の初めに見た、新国の堀口さんミルタはダークホースでした。井脇さんに匹敵するほど。テクニックも完璧だし、ミルタの威厳も十分。

ミルタに誘われて墓からウィリたちが登場しますが、以前の登場シーンは、長いベールを被っていて、ウィリたちが進むとき、サッと取れる演出だったはずですが、今回はベールなしでした。
東バのコール・ドは、よく揃っていていつもながら見ごたえあり。
ドゥ・ウィリは乾さんと吉川さん。吉川さんも、肩から腕がもう少し柔らかい表現ができるといいかも。
水香ちゃんジゼルだけが、短いベールを被っていました。新しくウィリに仲間入りした者だけがベールを被る演出に変えたのかな?
残念ながら、水香ちゃんのベールが髪にひっかかったのか、サッと取れず、水香ちゃんが手で払いのけてやっと取れました(^_^;)水香ちゃん、ベールを払いのけた手を前に交差させてなんとか誤魔化していましたが、ちょっと心配してしまいました。
水香ちゃんジゼル、登場の回転も高速でブレずに上手く回っていたし、はずむように軽やかな足捌きが見事でした。

ウィリたちが去り、デビブレヒトが黒いマントを羽織って白ユリの花束を持って登場。
この姿、似合いすぎ。デビ君は、足の甲がとてもしなやかで柔らかい。一歩一歩の歩みだけでも美しいです。(←贔屓目ぢゃありませんよ!)
ジゼルの墓にユリを捧げ、身を投げ出しで悲しむデビブレヒト。
水香ちゃんジゼルが登場し、軽やかに踊る。アラスゴンドのバットマンも高い位置まで難なく上がっていました。デビブレヒトのサポートもスマート。

ウィリたちが弾くんヒラリオンを生贄にやってくると、弾くんヒラリオンは、ジャンプも高く若さ溢れるダイナミックな踊りをしていました。
ミルタに懇願するも、ドゥ・ウィリに池へ放り投げられる哀れなヒラリオン。
次なる生贄は、デビブレヒト。水香ちゃんジゼルが身を呈してかばいますが、踊り続けさせられます。ブリゼなど細かな足捌きが綺麗。水香ちゃんジゼルの後を追うジュテもとても伸びやかです。
デビ君は、ザン・レールの始まりも着地も、深い5番に入っていてとても良かったです。足首も柔らかそう。と、褒めまくり(^_^;)

朝の鐘が鳴り、ウィリたちは墓の中へ消え、水香ちゃんジゼルもデビブレヒトとお別れ。
愛の証のように白ユリを一輪、デビブレヒトに渡して墓へ消えていきます。
その一輪のユリを持って、舞台中央に歩み寄るデビブレヒトの前に幕。

格段にレベルアップした水香ちゃんジゼルにしなやかで優雅すぎるデビブレヒト、シンクロ度の高いコール・ドが見せる幽玄の世界に満足の舞台でした。
カテコでは、デビ君が水香ちゃんの額にチュッと感謝のキスをしていて、パートナーシップの良さを感じさせました。
プリンスの気品を持つデビ君なら、ジークフリート役も見てみたくなりましたが、踊りを堪能できるという意味では、またデビブレヒトを見たい!
思わず14日のチケットも取りたくなってしまいましたが(会場でリピーター割引チケットを販売していた)、すでに用事が入っていたので、泣く泣く諦め。
クラシック・バレエのプリンシパルに欠くことのできない気品と優雅さを備え、それに見合う柔軟なテクニック、加えてあのルックス。デビ君は、今の若手では、トップレベルの王子キャラだと思います。
憧れのプリンス・デビ君来日公演をまた観られるのを期待しています。
posted by ひつじ at 18:29| Comment(0) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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