2012年11月22日

バレエ末席物語〜「白鳥の湖」ロパートキナ&イワンチェンコ〜

「白鳥の湖」
2012年11月20日

オデット/オディール・・・ウリヤーナ・ロパートキナ
ジークフリート王子・・・エフゲニー・イワンチェンコ
ロットバルト・・・アンドレイ・エルマコフ
道化・・・イリヤ・ペトロフ
ほか マリインスキー・バレエ団
ropatkina (480x640).jpg
ロパートキナの白鳥を再び観られてこんなに嬉しいことはない!(^^)!
チケット発売日にはチケットを取れず、だいぶ時間がたってから取ったのですが、ちょうど降板に次ぐ降板でキャストが大幅に変更になり、最終的なキャストがわかった後にこの日のチケットを取りました。
本当は、27日のロパ&コルスンが観たかったのですが、日程的にこの日になってしまいました。
でも、府中芸術劇場はサイド席がないので、安い席でも舞台正面を観られてラッキーでした(^^)


前回は、オケがマリインスキーではなく残念でしたが、今回はマリインスキーのオケでした。ボリショイほどではないけれど、トランペットなど時々変な音もありつつも、やはりロシアのオケの音は違う。お腹の底に響くような迫力。同じ楽器を使ってどうしてこうも音が違うのか不思議。マリインスキーのオケのおかげか、それぞれの踊りのフィニッシュが音に合っていたのが気持ち良かった。

コール・ドの衣装は、絵のように古典らしく美しい色合わせ。
ペトロフ/道化、よく跳んでよく回って着地も決まり、良かったです。表情もありました。グランド・ピルエットも、文句なしの高速回転。とても柔軟な踊りでした。
後で知ったのですが、ペトロフは、2009年の「イワンと仔馬」公演で仔馬役を踊っていたダンサーでした。名前を憶えていなかった(^_^;)勢いのある飛び跳ね系の踊りが似合うダンサーですね。

びっくりしたのは、王子の友人の踊りで、第二ヴァリを踊ったダンサーが舞台ど真ん中で変な動きになり踊りの流れが止まってしまったこと。踊りがすっぱ抜けたのかテンポが合わなくなってしまったのか、本人も頭の中が真っ白になってしまったかも。少ししてまた音楽に合わせて踊りはじめていましが。ソリストの顔は全くわからないので、休憩時間に公演パンフレットで顔写真をチェックしたら、たぶんナデジダ・バトーエワのほうみたい。せっかくのソロなのにね。ジュテの着地音もドタッと響いていたも気になりました。

友人役では男性ダンサーのティムール・アスケロフが一番良く踊れていたかも。ザン・レールの着地がちゃんと5番でした。顔はエラ張り顔だけれど、脚が長くて伸びやかなので将来の王子候補かな。ここで頑張って見せ場を作っておかないとね。

それにしても、コール・ドは若手ばかりなのか、日本で舞台慣れして経験を積んで来いと言われて来たようなレベルの気が・・・。マリインスキーの割に踊りが揃っていない。
プリンシパルだけ有名どころで客寄せ?(^_^;)

エルマコフ/ロットバルトは、ジャンプも高いし伸びやかな踊りで上手かったです。
ただ、メイクがコワすぎて、顔が全くわからない(^_^;)2幕で、あの髑髏メイクに、王妃も王子も怪しまないのが変(^_^;)あんな親の娘なんてどう見ても信用できないでしょ(^_^;)
この公演では顔が全くわかりませんでしたが、エルマコフは23日の「アンナ・カレーニナ」でなんとヴロンスキー役をやるそうで、やっと顔が観られそう。ロットバルトとヴロンスキー、エライ違いですね〜(^_^;)

白鳥のコール・ド、今回は縦ラインがやや怪しかった。
1幕で白鳥コール・ドが舞台中央に二列に並び、その後、縦列の先頭に「くの字」に並ぶフォーメーションのところで、スペースが足りなく、ぎこちない並びになっていました。一人、軸足の左右を間違えて、慌てて直しているダンサーがいて、そんな基本を間違えるなんて・・・という感じでした。

キャラクターダンスはどれも迫力があって息もつかせぬ踊り。衣装は豪華でセンスもとても良い!
スペインは相変わらず格好良かった。バイムラードフがスペイン再び。これまた後で思い出しましたが、バイムラードフは「イワンと仔馬」で、個性的なキャラの侍従を演じていました。キャラクテールらしい個性的なダンサーです。
ナポリもハンガリーもマズルカも見ごたえがたっぷり。マリインスキーのオケとの競演で盛り上がりました。

イワンチェンコ王子は、チラシの写真ではかなり期待薄でしたが(失礼)、前髪を上げて王子衣装を着たら、王子然としていました。若干太目だけれど、身のこなしがエレガント。
踊りは微妙・・・。ロパートキナのピルエットをサポートするとき、ややへっぴり腰になるし、表情が素になる。役柄への感情移入がイマイチでききれていなく、王子になったり素になったりというところがうかがえました。
2幕のヴァリで、舞台上手に移動するとき、踊りの流れのまま王子らしく移動してほしかったのですが、腕を下げて歩くように移動していたのが気になりました。それから、2幕ラストで、オディールの裏切りにあい、オデットを求めて走り去るところも、袖に入る寸前に普通に歩きだすのが見えてしまい、ややがっかり。最後の最後まで気を抜かないで演じきってほしかった。まぁ、ロパートキナのサポートをしっかりやってくれたので良しとします。

今回は、ロパートキナの一人舞台という感じでした。
ロパートキナは「踊る絵画」。一つ一つのポーズが絵になる。さらに痩せたのか、折れそうに繊細で、2幕のオディールは大丈夫かちょっと心配になるほど。腕も背中も完璧で、特にロパートキナの首から肩のラインが個人的に大好き。脚のしなりは申し分ない。ジュテやリフトではふわっと軽く宙に浮くし、それでいてジュテの着地音はどのダンサーより小さい。
彼女が出てくると舞台がピンと張りつめた空気になる。どんな状況や条件でも決して言い訳をしない、完璧な舞台を作るというプロ魂が舞台に漲る気がします。
そして、完全にオデットになりきっていて、「ロパートキナ」も「人間」も捨て去った白鳥そのもの、オデットそのものとして踊っていました。
気がかりだった2幕ですが、オディールとして登場したロパートキナは、1幕の折れそうな繊細さから大変身!生き生きとしたオディールで素晴らしかった。
グラン・フェッテは高速のシングルフェッテ。軸が左右にブレてしまいましたが、最後まで綺麗なフェッテでした。年齢的に白鳥全幕はそろそろキツイかと思いますが、若手よりも完璧に踊りをこなしていました。グラン・フェッテの後のピケターンでも疲れを見せず、ルティレの位置をキープしていました。グランド・スコンドの上がりはやや上がりきっていなく、絶好調というわけではなかったかもしれませんが、相次ぐ降板に出演日数も増え、コンディションを最高の状態にしておくのも大変だと思います。
ロパートキナの繊細だけれど凛とした気品のあるオデットも、生き生きとした気高いオディールも甲乙つけがたく素晴らしい。まさにこの役を踊るために生まれてきたような真の古典ダンサー。ロパートキナの舞台は見るたびに「奇跡」と思える。その「奇跡」のような舞台を再び観られた幸運を思います。
フェス・ガラ以来、久方ぶりのバレエ鑑賞に気分高揚しまくりでした。
そのアドレナリンでまくり状態に、私にとってバレエは「趣味」というより、すでに「中毒」なんだなと実感しました(^_^;)中毒症状はすでにン〜十年。この先も回復の見込みはないでしょう(^_^;)



posted by ひつじ at 21:28| Comment(2) | TrackBack(0) | バレエ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ひつじさん、こんばんは

マリインスキーの「白鳥の湖」懐かしいです
もう、かれこれ20年ほど前に観ましたよ
その時も、コールドはバラバラ。
主役級も新人ばかりで、不安定な踊りをしていました
でも、不思議とその一生懸命さに感動してました^^

ロパートキナ!初めて知ったので、ググッてみたら
素晴らしいダンサーですね!
客席を巻き込んで別世界につれていくダンサーはそうそういませんよね

古いですが、晩年のプリセツカヤを見たことがあります
若き日のマラーホフも一緒でしたが、年齢なんて関係なく
素晴らしかったです^^

ひつじさんの熱のこもった記事に
ついつい、数少ないバレエの思い出が甦ってきてコメントさせていただきました(笑

では、また^^
Posted by エル at 2012年11月30日 21:22
エルさま、コメありがとうございます(*^_^*)
毎度、返事が遅くてすみません(汗)

エルさまも、昔のマリインスキー公演、ご覧になったんですね。一応、コールドは定評のあるはずのマリインスキーなんですが、ハズレのときもありますね(^_^;)
それとも期待が大きすぎたのかしらん。

エルさんが観たプリセツカヤは何の公演だったのでしょう?
彼女の舞台も貴重ですよね。
最後に観たのは何年前だったかなぁ〜。
自伝にサインを貰ったのが宝物です(^^)
いつか高く売れるかな〜(←売る気か(^_^;)

また是非遊びにいらしてくださいね♪
Posted by ひつじ at 2012年12月04日 18:13
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